202010081616 ついに銀英伝110話を完走した。 戦艦が弾を打ち合うことが銀英伝の本質でないことは観れば明らかなことである。欲望と思想、そしてその背景にある歴史、これら度々対立する。 しかしそこに正解があるのか。本編では最後まで結論は出さない、というかそんなものは存在しない。 それでも絶望する必要はないということも事実である。なぜなら、今すぐに答えを出す必要はないからだ。 宇宙と人類には歴史がある。先人がそうだったように歴史を次の世代へと残すことは結論の放棄にはならない。 むしろ正当かつ誠実な手段だとこの作品は伝える。ここで最も卑劣で全宇宙への冒涜となるのは、歴史を省みないこと、そして弱者を虐げることになるとも伝える。 自分が宇宙の膨大な歴史のほんの一部に過ぎないということを自覚しなければならない。外道に身を投じ、それに気づかないことが最大の不幸である。 全体的に高評価。登場人物が多いために掘り下げられなかった人物や思想もあるように思われるが、外伝で補完してくれるのだろうか。
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